食物繊維
キチン・キトサン

■キチンは天然の高分子化合物で、グルコサミン(糖の誘導体)が5000以上結合した多糖。
 かに、えび、オキアミなどの殻、イカの軟骨、キノコ類チーズなどにも分布する動物性の食物繊維です。
 キトサンはキチンを薄い酸に溶けるように化合し、利用しやすくしたものです。キチン・キトサンは、体
 全体の自然治癒力を高める作用があります。複数の薬が必要な症状もキチン・キトサンだけで改善さ
 れ、多量に摂取しても副作用がないとされます。肩こりや不眠症の改善、便秘の解消、有害成分の排泄
 に有効です。また、抗がん作用があり、生活習慣病や老化の防止にも効果が認められます。


★免疫力を高めてガンを抑制する
 人間にはもともと、体内に侵入した異物やウイルス、ガン化した細胞を対外に排除する免疫機能が備わ
 っており、この排除の役目をしているのが、白血球の一種であるマクロファージやNK(ナチュラルキラー)
 細胞です。キチン・キトサンはこれらの細胞の免疫機能を強化することによって、自然治癒力を高め、
 ガンを抑制すると考えられています。キチンに含まれるN-アセチルキトオリゴ糖やキトオリゴ糖は、免疫
 賦活化作用のほか、ガンの増殖および転移の抑制、ガン病巣の縮小などの効果が判明しており、抗が
 ん作用として利用が期待されています。


★コレステロール値を下げる
 キチン・キトサンは食物繊維の一種です。これがなぜコレステロール値を下げるか、まだはっきりとは
 わかっていませんが、キチン・キトサンを摂取したあとは大便中の胆汁酸が増加します。胆汁酸は、肝臓
 でコレステロールから生成されるので、排泄された胆汁酸を補うためにコレステロールが使われて、総コ
 レステロール値が下がると考えられています。


★アレルギー疾患を改善する
 かにの殻などに含まれるキチン・キトサンには、体内の有害物を排泄する作用があり、免疫機能や自然
 治癒力を高めるバイオマス(生物資源)として、近年大きな脚光を浴びています。 今日では人工皮膚や
 手術用の縫合糸、人工血管、人工臓器など医療用素材としてもキチン・キトサンが広く利用されています。


★上手に摂取するには
 かに殻を主原料とし、タンパク質、炭酸カルシウム、色素などを除いて精製したものがキチンです。
 キチンを水に溶けやすく加工した物がキトサンです。小エビ、桜えび、沢がになど殻ごと食べられる甲殻
 類は、キチン・キトサンのよい供給源になります。えびを殻ごと使ったエビチリソースもお薦めです。
 料理以外では、粉末や錠剤、カプセル状で売られている健康食品が手軽ですが、さまざまな原料や
 精製法があり、良質のものと、そうでないものもあるので、購入の際には気をつけます。


■キチン・キトサンが多く含まれている食品
  ○えび・かになどの殻 ○キノコ類 ○イカの軟骨 ○チーズ ○いなごの外皮

前ページに戻る
グルカン

■キノコに含まれる抗がん多糖体は多種類あり、その一つがβーグルカン。キノコの種類を問わず豊富
 にふくまれ、ガン予防に効果のある事が判明しています。抗がん作用が認められている不消化性多糖類
 です。きのこに含まれるβーグルカンは、特にその作用が顕著で注目されています。ほかに酵母に含ま
 れるイーストグルカンにも同様の作用があります。


★抗腫瘍活性がある
 キノコには薬効を持つ物が多く、昔から漢方薬に使われてきましたが、しいたけのような普段食べて
 いるキノコにも、薬効を持つ成分が発見されています。
 グルカンは、キノコに含まれる食物繊維の一種です。なかでも、しいたけなどに含まれているβ-1・3
 グルカンには、食物繊維としてのはたらきが期待できるだけでなく、顕著な抗腫瘍活性が認められて
 います。大腸ポリープの中でも大腸腺種は、ガン化する危険性があるポリープです。大腸ガンの予防
 のために、摂りたい成分です。なお、パン酵母に含まれるイーストグルカンにも同様の作用があります。


★ガン脂肪をつぶす
 βーグルカンはガン抑制効果のある多糖体の一つ。マクロファージやリンパ球のうちのT細胞、NK(ナ
 チュラルキラー)細胞を活性化してガンの細胞をつぶし、増殖を抑えます。そのほか、全身の免疫力
 を高めてガンを予防します。


★免疫力を高める
 体の持つ免疫機能を高め、ガンを予防すると言われていますが、免疫機能強化は、アレルギーにも
 もちろん効果があります。また、アレルギーの原因となるヒスタミンが増えすぎるのを調整する作用も
 あります。


★上手に摂取するには
 βーグルカンは干ししいたけ、まいたけ、アガリクスだけなどに多く含まれる成分です。β-グルカンを
 摂取しやすく、強力にして健康食品として、アガリクス茸やキノコの菌糸体成分であるAHCCがあります。


■βーグルカンが多く含まれ手いる食品
  ○キノコ類

前ページに戻る
グルコマンナン

■こんにゃくいもの塊茎に含まれる多糖類で、ブドウ糖(グルコース)、単糖類、マンノースから
 構成されています。コンニャクマンナンとも呼ばれ、菓子、飲料、ダイエット食品などに用いられます。

セルロース

■植物の細胞壁の主成分である多糖類です。腸内でもほとんど分解されないので、異物として腸管を
 刺激し、便意を起こします。また、便の核となって便量をふやし、便通をよくします。

アルギン酸

■海藻多糖類の一種です。昆布やわかめなどの褐海藻のヌルヌルした部分で、細胞壁と細胞間に存在し、
 高血圧の予防に顕著な効果が認められています。摂取すると、胃の中では胃酸の影響を受けてカリウム
 を放出し、その後、小腸でナトリウムと結びついて排泄されます。一方、胃で放出されたカリウムは腸で吸
 収されて血液中のナトリウムを追い出す働きをします。アルギン酸がカリウムと共に存在するため、ナトリ
 ウムを排除する作用が強く血圧降下に役立つわけです。

リグニン

■水に溶けない食物繊維で木質素とも呼ばれます。ココアや豆類、なし、ごぼうに豊富で、水分を吸収して
 ふくらみ、便通をよくします。また、胆汁酸を吸着して排泄させる作用があるため、悪玉コレステロールの
 除去に役立ちます。さらに、ガンの発生をふせぐことも知られています。

前ページに戻る